風邪には葛根湯!本当にそうでしょうか?
風邪をひいたとき、とりあえず葛根湯を選んでいませんか?ドラッグストアでも真っ先に目に入るし、なんとなく「風邪といえば葛根湯」というイメージがありますよね。とてもよくわかります!でも実は、葛根湯が合わない体質の人もいるし、症状によっては別の漢方の方がずっと効果的なんです。難しそうに聞こえるかもしれませんが、コツさえわかれば意外とシンプルです。薬剤師である私が根拠をもとにわかりやすく解説します!
漢方選びで大事なのはあなたの「タイプ」
漢方薬を選ぶときに大事なのは病名ではなく「今のあなたの状態と体質」です。具体的には体力があるかどうか、冷えやすいかどうかといった体質と、発熱・発汗・鼻水などの症状の組み合わせによって選ぶ漢方が変わってきます。西洋薬が病名で選ぶのに対して、漢方はその人の体質と症状に合わせて選ぶのが基本です。
難しく聞こえるかもしれませんが、いくつかのポイントを押さえるだけで自分に合った漢方が選べるようになります。
ここから一緒に確認していきましょう!
あなたはどのタイプ?風邪の漢方使い分け
ここからは実際に4つの漢方を体質と症状別に紹介します。「これ私のことだ!」と思えるタイプを見つけてみてください。ただし漢方はあくまで体の状態に合わせて選ぶものなので、迷ったときは薬剤師や医師に相談することをおすすめします。
体力がある・汗が出ない→葛根湯
体力があって、ゾクゾクと寒気がして、汗が出ていない風邪のひきはじめに向いています。首筋や肩のこりを感じるときにも効果的です。葛根湯には体を温めて発汗を促す生薬が含まれており、初期の風邪を汗とともに追い出すイメージです。ただし自然に汗が出ている人や体力が低下している人には向かないので注意してください。
味は最初に甘みがあり、後から苦味と辛味が出てきます。お湯に溶かして温かいうちに飲むと飲みやすくなります。
参考:ツムラ葛根湯エキス顆粒 添付文書
https://medical.tsumura.co.jp/products/001/pdf/001-tenbun.pdf
体力がある・高熱・関節痛→麻黄湯
体力があって、高熱・強い悪寒・関節や筋肉の痛みが揃っているときに向いています。インフルエンザの初期にも使われることが多い漢方です。葛根湯より発汗・解熱作用が強力なので、症状が強いときに頼れる存在です。ただし体力が弱っている人や高血圧・心臓病のある人は使用前に必ず薬剤師や医師に相談してください。
味は苦味が強めでやや辛味があります。漢方の中では飲みにくい部類ですが、お湯に溶かして生姜を少し加えると飲みやすくなります。錠剤もあるのでそちらを活用いただくとストレスなく服用ができるのでお試しください!
参考:ツムラ麻黄湯エキス顆粒 添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200132D1035_1_12
体力が弱い・汗が出る→桂枝湯
体力が低下していて、微熱でなんとなくだるい、自然に汗が出るという風邪のひきはじめに向いています。葛根湯や麻黄湯より穏やかな作用なので、体力に自信がない方やお年寄りにも比較的使いやすい漢方です。体を優しく温めながら自然治癒力をサポートするイメージです。
味はシナモンに近い甘みがあり、漢方の中でも特に飲みやすい部類です。漢方が初めての方にもおすすめできる飲みやすさです。桂枝とシナモンは同じシナという木からできているので近い味になっています!
参考:ツムラ桂枝湯エキス顆粒 添付文書
https://medical.tsumura.co.jp/products/045/pdf/045-tenbun.pdf
水様の鼻水・薄い痰→小青竜湯
サラサラした水っぽい鼻水や薄い痰を伴う風邪に向いています。実は花粉症や慢性的なアレルギー性鼻炎にも広く使われている漢方で、鼻炎持ちの方にとっては風邪以外でも頼れる存在です。体を温めながら水分バランスを整えて鼻水や咳を落ち着かせるイメージです。ただし体に熱がこもっているタイプや、粘り気のある黄色い鼻水が出ているときは向かないので注意してください。
味は甘みと辛味が混在していてやや独特です。慣れると気にならなくなりますが、心配な方は錠剤の服用をお勧めします!
参考:ツムラ小青竜湯エキス顆粒 添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200075D1086_1_17
漢方にも副作用がある?知っておきたい注意点
「漢方は自然由来だから副作用がない」と聞いたことありませんか?実はそれは誤解です。漢方にも副作用はあります。特に今回紹介した葛根湯・麻黄湯・小青竜湯に含まれる「麻黄」という生薬には交感神経を刺激する成分が含まれており、高血圧・心臓病・甲状腺機能障害のある方は注意が必要です。また複数の漢方を組み合わせると「甘草」が重複して偽アルドステロン症という副作用が起きることがあります。ただし発現率は低く、用法用量を守って正しく使えば過度に心配する必要はありません。漢方も薬である以上、気になることは薬剤師や医師に気軽に相談してみてください。
参考までに1日あたりの甘草摂取量が1gで発症率1.0%、2gで1.7%、4gで3.3%、6gで11.1%という報告があります。
まとめ:自分に合った漢方を選ぼう
今回は風邪に使える漢方を4つ紹介しました。改めて整理すると
体力がある・汗が出ない→葛根湯
体力がある・高熱・関節痛→麻黄湯
体力が弱い・汗が出る→桂枝湯
水様の鼻水・薄い痰→小青竜湯
「なんとなく葛根湯」から卒業して自分の体質と症状に合った漢方を選ぶだけで、風邪への対処がグッと変わります。漢方は難しいものではなく、自分の体の声を聞くためのツールです。迷ったときは気軽に薬剤師に相談してみてください🎶

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